# ストーリー #
「凪沙ぁっ、やめろぉぉぉっ!」
そう叫びながら必死に手を伸ばしてくれる彼の瞳を、
私はどうしても見ることが出来ませんでした。
……この決意が揺らいでしまいそうだったから。
勝手に決めちゃってごめんね、優馬くん。
でも、優しいあなたのことだから……、
絶対「ダメだ」って難しい顔するに決まってるもん。
優馬くんはホントは “未来の人” だから、
ずっと “この時代” に引き止めておく訳にはいかないもんね。
……それに、これはね。
いっぱい、いっぱい幸せをくれたあなたに、私が出来る唯一の恩返しなの。
逢えなくなるのはすっごく寂しいけどね。
それでも私、頑張るから。
きっと、きっと。
また逢えると信じてるから。
だから。
ほら、泣かないで。
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その刹那、眩い光に包まれた凪沙の身体。
大切な人 ━━━━ 優馬を、 “居るべき時代” に還してあげたい。
巻き込んでしまったこの争いから、彼を解放してあげたい。
そんな想いで凪沙は、 “未来への扉” を開く呪文を唱える。
二人の距離を遠ざけてしまう ━━━━━━━━━━
そんな、呪文を。
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